ビジョンの必要性を理解して、見つけだし、掲げたとしても、それだけでは何の役にもたちません。ビジョンというインタンジブルなパワーから出るエネルギーを自分や企業のために取り込み、燃やして初めて結果につながります。3度のご飯を食べて栄養素を取り込んでエネルギー化できるからこそ、あなたの体や精神は元気はつらつとなりますね。
それと同じことです。
まずビジョンを掲げる、でもビジョンは無形ですから見える形をしていません。ですからあなたは具体的に目的を作り、ビジョンを見える形にします。そして目的達成のために手段を講じなければなりません。そこで初めて、行動に移し、結果が現れます。いつもいい結果とは限りませんが、しかし心強いことに、目的までフィードバックすることができます。そして目的があまり遠大ではなかったか、間違った手段を使っていなかったかを検証します。ビジョン自体は変えられないけれど、目的以下は変更できます。
かつての私の経営時のケースで学んでみましょう。
・ビジョン 安心安全
・目的 会社の体質を常にチェック、安全基準を高水準に、外部機関の意見を聴く、第三者のチェック体制、コンプライアンスの問題の取り組み、スリムな経営体質、人事組織の簡略化、定期的に保険の見直し、防犯、防火対策、適正在庫
・手段 情報、財源、コネクション、人材、知識、創造力、技術、語学、行動力と決断力のもととなる健康な精神力と肉体など
・行動 タイミングを逸しない、協力体制、推進力と指揮
・結果 良い結果は用心、怠慢になり安心しすぎる
思わしくない結果は、再度チャレンジする
悪い結果は目的からフィードバックする
エネルギーは時計回りです。反対に流れようがありません。たとえば、行動の後に手段をとることはありえないでしょう?結果が出て行動を起こすこともないでしょう?フィードバックは常に可能、エネルギーサークルの各段階を、合理的につなぐのがコツです。さて、慎重にビジョンを検討し目的も掲げたのにエネルギーが回らず結果が出てこないのはなぜでしょう?それには大きな二つの理由とちょっとした理由があるのです。
大きな理由の一つは、ビジョンと目的、目的と手段、手段と行動の相互間が合理的に結ばれていないからです。流れに沿って計画だてなければなりません。第二の理由は、途中でビジョンを置き去りにし、悪い結果が出ても目的までフィードバックしないで諦めてしまうのです。社内では常にビジョンを反復する、共有することがとても大切です。
他には
・目的に具体性が欠けている、誰にでもわかりやすくする
・お金をビジョンや目的にしている
・早い結果を求めすぎる
・手段が間違っている、取り損ねている
・時間設定ができていない
・目先のことに流される
・実行する意欲に欠けている
見えないエネルギー、インタンジブル・パワーは恐ろしいくらい、私たちに影響を与え、このエネルギーなしに世の中は成り立ちません。政治も、経済も、人生もしかりです。正しく使えば良好な結果が得られるのに、ビジョンを理解している組織や個人は少ないと思います。幸福、平和、友愛といったグローバル規模にまで発展できるのです。
人生の見直し時期にある人、うまくいっていない企業、そんな時はビジョンこそがあなたの力になってくれるでしょう。
そして次回はなぜお金をビジョンや目的に掲げられないのかを詳しくみてゆきましょう。
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