インタンジブルを深める




     
     
 

人間がその頭で描く程度のことはたいてい実現します。だからどうせ夢を見るのなら、手に取れないほどの、想像力からはみ出してしまうぐらい大きな夢がいいのです。夢には強度設計の偽装など必要ありません。ひっくり返ってもあくまで夢なのです。夢を描く人はどこまでも懲りない面々なのです。

夢は「人生のエサ」といえるかもせれません。夢ほど牽引力の強いインタンジブル・パワーはないからです。夢のコストは高くつくこともあるでしょう。夢の予算は大きくつけるにこしたことはありません。たとえ夢の実現を体験できなくても、いつか、誰かが、どこかで子々孫々とつないでいってくれることもあります。

夢のパワーは絶大ですが、ただ手をこまねいて待っているだけではだめです。手段を講じて現実化するのはあなたです。かつて人間は鳥のように空を飛んでみたいと思っていました。ところがある日、ライト兄弟がその夢を実現させ、その何10年後かにはリンドバーグが大西洋横断飛行に成功し、モンマルトルの街の灯りを実際に空から眺めながら「翼よあれがパリの灯だ」とつぶやきました。いまでは600人以上の乗客と荷物を載せて鳥より何千倍大きな図体の旅客機が、日夜をとわず毎日、空を飛び回っています。かぐや姫が帰って行った夢の月世界に人間が追っかけて行って降り立ったのもいまや昔のことになりました。そして、かぐや姫のお伽噺の向こうに、また人間の新たな夢がさらに大きな宇宙に広がっています。

竜宮城から帰った浦島太郎がけっして開けてはいけないとお姫さまに言われた玉手箱を開けます。そこに一杯タンジブルなものが詰まっていると思っていたのですが、煙が立ち昇り、たちまち300歳老けて、白髪の老人になってしまう。これは夢が壊れたのでしょうか? いや、太郎はそれまで十二分に夢を見たはずです。結果はどうあれ、プロセスも夢の大切な部分ではないかという考えかたもあっていいと思います。

人間の究極の夢ってなんでしょう?「不老不死」・・これは無理な夢ですがそれ以外ならどんな夢もすべてOK,どうせ見るならばかげた大きな夢を・・あなたの夢は?だれもそれを盗むことができません。

夢が破れた、失敗に終わったと嘆く人は夢に賞味期限はないと知ってください。どの時点で敗れたと思うのかは、あなたが決めてしまっているのです。宝くじだって一回買って当たらなかったらといってあきらめないで何回も買うでしょう? 夢に終わりはありません。

 
                                                        K.Yamakawa