インタンジブルを深める




   コロナと月  
   
 

顕微鏡を覗き込むとまるで万華鏡の中に咲いた美しい宝石の花の形をしたコロナウィルスは、悪魔のインタンジブルパワーを世界にばらまき、人間を震え上がらせました。ホームページでインタンジブルパワーをあらゆる例題で示してきた私ですが、これほど強大なインタンジブルパワーが存在するということを世界の70億の人間が同時に知ったのですから、いまさらコロナウィルスパワーの怖さをここでは書きません。

人類が滅亡するのはウィルスか、宇宙の異変によってもたらされると思います。ウィルスのほうは年々強くなり、型を変え襲ってきますし、治療薬の開発が追いつかないので、人類滅亡のXデイは案外早いかもしれません。それに比べ、宇宙の滅亡は25億年ぐらい後になるでしょう。私たちは太陽系の惑星の中で唯一、地球という奇跡のハビタブルゾーン(生存圏)に生かされているのに、それを当たり前と思い、さらに、他の惑星に手を伸ばし、そこに地球人が来たぞとばかり目印の旗を立て、穴を掘って何か換金性のある鉱物や、物質がないかとあさましい姿で探まくっています。月の土壌に埋まっているヘリウムを一万トン地球に持ち帰れば、全人類の必要とするエネルギーが100年にわたり賄えるそうです。アルミニウム、チタン、鉄なども埋蔵されているとなれば人間の欲は膨れ上がるばかりです。地球の自転軸のかたむきを保ってくれる月は、人間の住む地球にとっての命の惑星であるというのになんという恩知らずでしょう。

宇宙開発に人類が掲げるのは壮大な夢、希望、冒険、未来、チャレンジ、その他いろいろ。子供も、大人も興奮のしっぱなしです。そこへ、姿の見えない邪悪なコロナウイルスが、ぬっと現れたのです。どこまでも増長した、傲慢きわまりない人間に対する神の警告だったのではないでしょうか。

こうなれば、月に水があろうが、なかろうが、火星に人が住んでいようがいまいが、どうでもよくはありませんか。惑星同志は太陽の周りで「美しい秩序」を保っているのに“月に穴をあけ、宇宙を汚し、ごみをまき散らしている”地球人。そのうち、地球発のウイルスだけではこと足りず、他の惑星の中に潜んでいるウィルスを持ち帰り、地球以外の惑星のウィルスで滅亡するかもしれません。

青く輝く美しい地球は、コロナウイルスの蔓延でたいへんなことになっているから、くれぐれもご用心。おかげで月面着陸中断、無人火星探査は当面のあいだ延期ですと宇宙人に知らせてあげましょう。

国家の危機管理のありかたも問われています。医療分野では先進国であってもインフラが思ったより整備されていない現実が浮き彫りになりました。厳しい状況の中で唯一、インタンジブルパワーにあふれる「感動物語」を見つけるとすれば、命を懸けて現場を守り治療に従事する人々の姿にあるのではないでしょうか。人間の命に奉仕する人々を宇宙開発や防衛費より先に、国費で守るべきです。ありがとうの言葉だけでは足りません。医療に携わる人たちは、あらゆる面で守られ、報われなくてはなりません。この地球規模のターニングポイントにあたって、何に予算を割くべきかを考える時が来ました。

 
                                                        K.Yamakawa    
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