インタンジブルを深める




   うまみ  
   
 

コロナウィルスの自粛で男性もキッチンに立ってお料理をする機会があった事でしょう。

同じ食べるなら少しでもおいしく腕をふるい家族を喜ばせるのは楽しいイベントです。私は普段、昆布とだしの素で味付けしていましたが、時間もあったおかげで、うまみを出すために色々なことを試してみました。ボトルに切った昆布と煮干し、鰹節などを入れて冷蔵庫でストックしておき、お料理の際には、だしの素やあごだしを追加するなどして立体的な味を出すためにチャレンジしました。名付けて、「うまみ・・キュービカルアプローチ」。

「うまみ」は世界で通じる言葉になりましたが、これほどおいしさを追求したインタンジブルな味の表現はないでしょう。深く、広く果てしなく追求できる隠し味、インタンジブル・テイスト、まるで主人を引き立てる影武者です。まわりをみわたせば、海藻や鰹節、シイタケ、煮干し、あご、ホタテだしなどの素材がいっぱいです。このようなタンジブルな素材の中に、化学的にはアミノ酸の中にグルタミン酸はじめ20ものうまみ物質があるそうです。きっと世界中には異なるうまみ成分が沢山あることでしょう。

味の基本は甘味、塩味,酸味、苦味、うま味と5つあって赤ちゃんが一番初めに口の中で感じるのはうま味だそうです。お母さんのミルクを飽きることなく飲み続けるのはこのせいだったのですね。

ところで食べ物だけでなく、食べる側の私達はいったい人間としてどんな味を持っているのでしょう。甘いマスク、苦み走った顔・・外見はともかく年ともに「うまみ」のある人間に成長しているのでしょうか?そして「うまみ」のある人間とは一体どのような人を指すのでしょう?

  年を取ったら出しゃばらず・・憎まれ口に泣き言に・・
  人の陰口、愚痴言わず・・他人のことは褒めなはれ・・
  知ってることも知らぬふり・・何時でもあほでいるこっちゃ・・
  若い人には花持たせ・・いつでも感謝忘れずに、
  どんな時でも、へえ、おおきに・・

  こんな究極のうまみを出せば、

  わが子に孫に、世間様、どなたからも慕われる・・
  ええ年寄りになりなはれ・・ぼけたらあかん、そのために・・
  頭の洗たく生きがいに、何か一つの趣味もって、せいぜい長生きいたしましょ!

 
                                                        K.Yamakawa