What is intangible ?
続編II ビジョンを…
持つか持たないかで人生は分かれる(個人編)
ビジョンは、その圧倒的な力で私たちを望む方向に導いてくれます(詳しくは、Archives 05・06をお読みください)ただし、ビジョンそのものは「無形の価値」ですから、たとえば「安心と安全」「自由」「健康な生活」「自然体」といった形のない抽象を手に取ることはできません。実現するのは、ビジョンに近づくために設定したあくまで具体的な目的です。それが、具体的であればあるほど手段を講じやすく、行動にも移しやすくなります。
以下は、ビジョンをどのように実現すればよいかを著した本(「インタンジブルが会社を変える」)の中の一節です。そちらをご紹介しましょう。
ビジョンを見つけても、それを具現化しなければ、ただの絵にかいた餅になってしまいます。では、どうずればよいのでしょう?
ビジョンが、自分や会社にとって絶対に譲れない価値の基準であることは、前述の通りです。揺るぎないものである以上、すべての行動の出発点となります。つまり、エネルギーを発するスタート地点となるわけです。
ビジョンには、エネルギーが流れる方向に一定の法則があることを理解してください。この流れを私は「エネルギー・サークル」と呼んでいます。
ビジョン→目的→手段→行動→結果の順に、エネルギーを時計の針と同じように右に回してゆきます。
そして、どの段階も合理的につながっていなければ、望む結果を得ることは難しく、あいまいであったり、一貫性を欠いたりすれば空回りするだけです。
次のステップでは、ビジョンを実現化するために、できるだけ具体的な「目的」を設定します。この作業により、ようやくビジョンが形となって、人々の目に触れる第一歩となります。
ビジョンと目的を合理的につなげることを「価値の合理性」といいます。
次に行うことは、目的達成のために必要な手段を講じることです。
ありとあらゆる手立てを用いて実現化への段取りを行います。その際にも、手段が目的達成のために合理的に選択されているかを細かく検証します。
これを「目的の合理性」といいます。
あとは行動するのみです。ビジョンから送られてくるエネルギーを糧にしながら、全力を尽くせばよい結果が出るはずです。しかし、思わしくない結果が出たり、ビジョンに少しも近づけなかったりしたら、再度、目的から結果までを振り返ります。
山川和子著「インタンジブルが会社を変える」PHPより抜粋
ビジョンは、忘れず、急がず、必ず時計回り(クロックワイズ)にエネルギーを回してください。たとえば、高気圧も時計回りですし、ラマ教では近隣の家を訪問するときには、必ず時計回りに道を辿る習慣があります。正しい気を取り込もうということでしょうか。自然界には、“エネルギーの方向性”という偉大な摂理があるのですね!?
21世紀になって私たち人間は、目的も立てず、手段も講じず、結果ばかりを求めてきました。行き過ぎた資本主義によるものです。あなたも、私も、組織も、社会も、例外なく反時計回りにエネルギーを回しています。でももうそろそろ、人類皆が立ち止まり、進むべき方向を見つめ直すときが来たのではないでしょうか!?